初めまして。
新米薬剤師、たまごときゅうりです。
今回は、昨日投稿した「新薬の承認が決まりました!(https://tamagotokyuri.com/20210122/)」で薬局でもかかわる薬としてあげた3種類のうち、あまり触れなかった2種類について記載していきます。
2種類の薬とは、レイボー錠(ラスミジタンコハク酸塩)、リフヌア錠(ゲーファピキサントクエン酸塩)です。
ルマケラス錠(ソトラシブ)は昨日触れているので本日はあまり触れません。
さて、レイボー錠(ラスミジタンコハク酸塩)ですがこちらは片頭痛に適応を持つ新薬です。薬効としましては、セロトニン5-HT1F受容体選択的作動薬です。ここまで聞いてあれっと思った人もいるのではないでしょうか?
そうです。セロトニン受容体です。いつものです!何も新しくないじゃないか!!と考えた方、よ~~く見てください。今回の受容体の名称を、わかりましたか??そうです。1F、1Fなんですよ。今までの片頭痛薬とは違うサブタイプなんですよ!!!
しかも、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)の放出を抑制するという機能持ちですよ!今までは抗体製剤の注射薬でしか作用できなかった伝達経路に対して作用できるんですよ!!もちろん、作用機序としては注射薬とは違いますが飲み薬で同じ経路に効果がある薬の登場となると期待せずにはいられないですよね。
2つ目ですが、こちらはリフヌア錠(ゲーファピキサントクエン酸塩)です。この新薬は難治性の慢性咳嗽に適応をもつ薬です。
慢性咳嗽って案外身近にいたりしませんか?咳がおさまらない、ずっと咳が出る、鎮咳薬を慢性的に服用しているみたいなご高齢の方とかはそれなりにいると思います。あくまで体感で正確な統計データとかは知らないのですが。
そんな方に使える薬と全く新しい作用機序の新薬なんですよ!薬理作用としては選択的P2X3受容体拮抗薬です。
正直この薬はまったくわからないです(泣)いや、だってP2X3受容体ってなんですか?聞いたこともないですよ。
ただ、それではいけないので概要だけでも見てみると、気道の迷走神経にある受容体で、ATP受容体の1種とのこと。この受容体が刺激されると損傷のシグナルとして神経伝達が起こり咳嗽が出ると考えられているため、その受容体を阻害することで咳を抑えるとのこと。
この概要だけ見ると、器質的疾患や原因疾患がわかっていて、でも咳嗽が収まらない人にはとりあえず試してみても良さそうですね。まぁ、決めるのはDrですが。
今回は、新しい薬の概要を見てみました。
もし、臨床試験の中身や薬効薬理の詳しい内容などご質問があれば今後は掘り下げてみようかと思います。
それでは、今回はこの辺で失礼いたします。
大きなことも一歩から。今後もよろしくお願いいたします。
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